発明届出書は発明の鮮度を殺す

発明は、本来、発明者の自由な発想の結果です。
その自由の中に、発明者の烈々とした脈動感があります。

しかし、発明届出書は、発明者の自由な発想を、
押し鮨のように一定型に詰め込もうとします。
せっかく自由な発想の中で生まれた発明を、一定形式に当てはめようとすれば、
発明の勢いが損なわれ、その鮮度が殺されてしまいます。

実は、発明者は特許を取りたくないと思っているわけではありません。
それどころか、もっと創造的な仕事をしたいと思っています。
それにもかかわらず、発明が知財に上がってこないのは、
発明という自由な発想で生まれたものを、
特許という決められた型に無理やりはめ込む作業がおっくうだからです。

発明者には、発明をもっと自由に表現させるべきです。
例えば、「貴方の発明をノートに自由にいたずら書きしてみてください」
と言った自由さがあってもよいと思います。

そして、自由な発明を特許という一定の型にはめるのは、
弁理士も含めた知財担当者の仕事です。
知財担当者の方は、発明者の気持ちを自分に当てはめてみてください。
例えば、先ず、住所氏名を書く欄があって、
その下にいろいろ決められた事項を書くべき空欄があって、
それらを全部埋めながら、自分の考えを表現しなければならないとしたら、
おっくうに思いませんか。

企業は特許を取るのが目的ではありません。
特許は発明の結果にすぎないものです。
そして、各企業の発明届出書を見ると、
知財部の仕事がやりやすいようにするためのものとしか思えません。
技術者の創造という知的な活動を、本当に支援するものは、見たことがありません。

私も、自分のアイデアをたくさんノートにとります。
そのノートに書き留めたものを、まとめようとすると、
それはそれで非常に大きなエネルギーがいるものです。

知財担当者の仕事は、発明者が、例えばノートに自由に書き留めたものを、
上手にひも解いて、発明者の創造性をアシストすることだと思います。
現状の発明届出書を、技術者にあてがって、ただ発明を出せという態度では、
発明の鮮度を殺してしまいます。
それどころか、発明者の創造的な意欲すら殺してしまいます。

これらかの日本の再興は、技術者の創造力に依存せざるをえません。
それをアシストするのが、知財担当者の仕事です。
知財担当者は日本を救うために、考えを新たにして立ち上がるべきです。

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